耳掃除はして良い?しちゃダメ?ケース別にまとめてみた

こんな本を読みました。


驚異の小器官 耳の科学 (ブルーバックス)

国立長寿研究センター 耳鼻咽喉科に勤務されているお医者さんが書かれた本。耳の構造や聴覚、病気、耳垢や耳かきまで幅広くとりあげ、読みやすい文章で解説されております。

その中で「耳掃除」について取り上げていたのでまとめてみました。

耳掃除はするべきか

先に結論をいうと、著者は「何もしないのが正しい」と考えられております。ただし、高齢者や幼児など一部の方は耳掃除が必要であり、「耳垢水」の掃除が安全ではないかと主張しています。

耳掃除を不要とする理由はいくつかあります。

【理由1】耳は自分で勝手にキレイになる

まず「耳垢はどこで発生するか」の説明から。

耳の穴から鼓膜までのトンネルを「外耳道」といいます。耳の穴を外から見た時、途中で穴が曲がっていて奥まで見えませんが、ちょうどその曲がり角付近に「峡部」と呼ばれる場所があります。
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↑赤い四角で囲んだところが「峡部」

この峡部を境に、入り口に近い方を「軟骨部」、鼓膜に近い方を「骨部」といいます。

そして、耳垢は「軟骨部」でしか発生しません。耳垢をつくる「耳垢線」が、軟骨部にしかないからです。

さて、外耳道には自分で自分を掃除するシステム「マイグレーション」があります。

これは、鼓膜から耳の入り口に向かって皮膚(表皮)がドンドン移動するもので、耳奥にあったホコリやゴミも一緒に外に押し出します。もちろん、軟骨部にできた耳垢も外へ押し出されます。

つまり、耳は勝手に自分自身を掃除しているので、私達が耳掃除をする必要性はないんです。

【理由2】日本人の9割は詰まりにくいカサカサ耳垢

人間の耳垢には「乾性耳垢(カサカサ)」と「湿性耳垢(シットリ)」の2種類があります。

どちらかは遺伝によって決められるのですが、世界的に見るとシットリ濡れた湿性耳垢のほうが多いです。しかし、日本人の場合は9割がカサカサの「乾性耳垢」なんです。

これは、2-3万年前にロシアのバイカル湖で突然変異としてカサカサ耳垢がおこり、日本など東アジアに広まったらからではないかと考えられています。

さて、カサカサ耳垢はシットリ耳垢に比べて耳垢が詰まりにくいです。そのため、シットリの人よりも耳垢詰まりによる難聴などになりにくく、耳掃除をする必要性がなくなります。

ただし、日本人でもシットリ耳垢な人はいらっしゃいます。そういう方は「カサカサの人よりも詰まりやすいんだな」ということをご留意ください。

耳掃除をする必要がある人

以上のように「耳掃除をする必要はあまりないよ」と述べてきましたが、例外があります。年配の方と、小さいお子さん。あと外耳道が先天的に狭い方です。

これらの方は「耳垢栓塞」(病的に耳垢が外耳道に溜まってしまった状態)を引き起こしやすいです。耳垢栓塞をおこすと、聴力低下だけではなく、かゆみ・痛み・耳鳴り・目まいを引き起こす事さえあります。

年配の方は自己掃除「マイグレーション」能力が低下していますし、お子さんの場合はまだ外耳道が狭く小さいことも原因の一つなのでしょう。

このような方は「耳垢栓塞」を引き起こさないよう掃除が必要です。しかし、自分や第三者による耳かきや綿棒での耳掃除は、耳垢を奥に押し込んでとりにくくしたり、外耳道を傷つけて炎症を引き起こしたり、鼓膜を破ることもあり、事態をより悪化させます。

そのため、著者は耳鼻咽喉科で耳掃除をしてもらうようすすめています。耳垢水(点耳薬)をつかって耳垢をとかし、最後に水で洗い流すのが一番簡単で安全ではないかとしております。

ただしこの方法は耳の中に液体を入れるので、外耳炎や中耳炎をおこす可能性はあります。そのため、お医者さんと相談しながら「点耳薬を使う」か「直接耳垢をとるか」を決められたほうが良いでしょう。

耳掃除はやりすぎず奥に入れすぎず

以上を踏まえると、年配の方や小さいお子さん以外の方は「耳掃除はしなくてよい」となります。

でも、耳掃除って気持ちいいですよね。クセになってるし、いきなりヤメロと言われてもやめられるものでもありません。

それなので、耳垢が発生しない奥のほう(骨部)まで綿棒や耳かきをつっこまず、出入口付近のみ簡単に掃除をする・・・という感じでされたほうが良いでしょう。回数としては1ヶ月に1回行えば充分なので、あまり頻繁にやらないよう気をつけてくださいね。

あと、分別がつかない小さいお子さんがいるご家庭では、子供の前で耳掃除をしないほうが良いかもしれません。親が寝ている時に、お子さんが見よう見まねで親の耳に綿棒をいれて鼓膜を破った・・・なんていう事が実際にありました。

もちろんお子さんに悪気はないのでしょうが、親にしてみれば困ってしまうことなので、綿棒や耳かきの管理・教育というのも必要なのかもしれません。

気になる方は、実際にこの本を読んで耳のことについて勉強してみてください。なかなか面白いですよ。

以上、ご参考までにm(__)m


私も耳かきをあまり奥まで突っ込まないよう自省します。。。(^_^;)

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京都の整体院の女性院長によるアレコレ。心、感情、意識、観念を変えることで、体の不調や人生も変わるということを色々書いています。
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