ファブリーズは危険なのか調べてみた

こんな記事を読みました。

【注意喚起】ペットたちが肝臓疾患にかかって病院で聞いたら消臭スプレーの使用を問われた

上記のリンク先には具体名はでていませんが、要は「ファブリーズ」を中心にしたスプレー散布型の消臭製品のことです。

これらの危険性については、昔からちょくちょく出ています。

Naverまとめ-ファブリーズの危険性について

ただこれらの記事を読むと、ただただ「危険!危険!」と煽りすぎているようにも思えます。

なので今回は、もうちょっと科学的な視点をもって、ファブリーズについて調べてみました。

ファブリーズの成分ってどんな感じ?

さて、ファブリーズにはどのような成分が入っているのでしょう?

ファブリーズのメーカーであるP&G社のファブリーズ公式サイト「myレシピドットコム」の「よくあるご質問より」に、ファブリーズの成分について解答がありました。

fa
(引用:P&G myレシピドットコム よくあるご質問より

それを見るとファブリーズの主成分は

・トウモロコシ由来消臭成分
・除菌成分「Quat」
・水溶性凝集成分
・香料
・水

の5つのようです。

この中でよくわからないのが「トウモロコシ由来消臭成分」と「Quat(クウォット)」かと思いますので調べていきましょう。

「水溶性凝集成分」もよく分かりませんが、「ファブリーズ ハウスダストクリア」にしか使われてないのでここでは議論しません(おむつなどに使われる高分子ポリマーの仲間かな?と想像)。

なお、詳細な成分名を明らかにしていないのは、これら消臭製品が「家庭用品品質表示法」に該当しないからだそうです。

逆に「合成洗剤、石鹸、家具用洗浄剤、漂白剤」などはこの法律に該当するため、成分名や含有量などを細かく表示しなければなりません。

★家庭用品品質表示法について→こちら

トウモロコシ由来消臭成分

結論から言うと「シクロデキストリン」のことかと思います。

シクロデキストリンは、グルコース(糖)がいくつか合体して輪っか(環状)になったものです。
Beta-cyclodextrin3D
wikipediaより

↑この穴の中にニオイ成分を閉じ込めて消臭。

シクロデキストリンの製造を行っている(株)シクロケムでは「シクロデキストリンが生んだあの製品」の中でファブリーズを挙げています。また、わさびやチョコなどの食品添加物として使われている例もあげられています。

シクロデキストリンはトウモロコシやジャガイモの澱粉から作られるので「トウモロコシ由来」というのも間違っていません。

こう見ていくと「シクロデキストリン」自体に、明らかな毒性はないように思えます。

★シクロデキストリンについてもっと知りたい人はこちら(シクロケム社のページ)

Quat(クウォット)

調べてみるとQuatとは「第四級アンモニウム化合物」のことのようです(細かい化学的なことはwikipediaでもみてください)。

この化合物のなかで有名なのは塩化ベンザルコニウムで、殺菌・消毒剤として手術などにも使われます。

で、日本の学術論文データベース「CiNii」で「4級アンモニウム化合物」を検索するといくつか論文ができます。

そのなかにこんな論文もありました↓

東京都健康安全研究センター研究年報
消臭除菌剤に配合される4級アンモニウム化合物のマウス新生仔および成獣における一般毒性指標に及ぼす影響

この論文の「はじめに」を読んでみると

近年、アレルギー疾患の増加や清潔志向の高まりに対応して、ハウスダスト除去や除菌効果をうたった家電製品や家庭用品がさかんに開発・販売されている.そのような家庭用品の中に、液剤を室内の布製品に直接噴霧する製品がある.
(中略)

しかし、家庭用品の使用は消費者の良識に任されており、使用実態が、製造者の認識の範囲を越えた場合には、製品に含まれる成分による健康被害が起きる可能性がある.
特に化学物質に対する感受性の高い新生児期における曝露については、遅延毒性や発育障害を含め、安全性の検討が入念になされるべきと考える.

とあり、ファブリーズも「ハウスダスト除去や除菌効果をうたった家電製品や家庭用品」に該当するように思えます。

さて、この論文を読むと「Quatはマウスの赤ちゃんの健康に影響でるよ」と結論づけています。しかし実験方法が「Quatをダイレクトに飲ませる」という手法なので、そのまま私達の使用方法で健康に影響が出るとは結び付けられません。

ようは致死量・・・「濃度」の問題です。

醤油だって大量に飲むと人間死にます。マジで。
日本中毒情報センターによると致死量は2.8~25ml/kg 。体重10キロのお子さんなら28~250mlで計量カップ1杯分飲んだら危険です)

シクロデキストリンよりは体に悪そうですが、Quatを含有したファブリーズ噴射で人間やペットの体がすぐに悪くなるとは「科学的に」証明されたことにはなりませんね。

※あくまで「科学的な証明」なので、実際に体調が悪くなった使用例を否定するものではありません

まとめ

以上をみると、ただただ闇雲に「ファブリーズ危険!危険!」と煽るのはちょっとやり過ぎかなという気はします。

しかし、先の論文の結びに

また、QUAT は、布製品に噴霧する家庭用品に配合されることから、ヒトの生活環境における乳幼児および成人の摂取実態調査も必要で、その結果によっては、吸入による安全性の検討も必要と考えられる.

とあるように「安全か安全じゃないか科学的にキチンと証明もされてませんよ」ということなので「危ない」と思う人は使うのをやめればいいと思います。

※ただしこの論文は2010年発表なので、それ以降に世界のどこかで「消臭製品のQuatは安全」と発表されていたらゴメンナサイm(__)m

どうしても使いたい人はペットや子供がいない時に使う、使用頻度や噴霧量を減らすなど工夫をすればいかがでしょうか。

ちなみに千鳥整体師は、消臭には「日光にあて風通しを良くする」方法を使います。日光や空気中の紫外線やオゾンは匂い成分を分解します。また、匂い成分自体は揮発性成分なので、風でとばして外に追い出してしまいます。

焼き肉や居酒屋で匂いがついたスーツも、半日陰に1日置いておけば気にならなくなりますよ。

以上、ご参考になさって下さいm(__)m


シクロデキストリンは匂い成分を捕まえてるだけだからなーと思ってしまった千鳥整体師はファブリーズ買ったことがありません(´・ω・`)

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コメント

  1. m3a より:

    翻訳をしていて、”Quat”がわからず検索していてたどり着きました。
    とても詳しくて、単に訳語だけでなく、どういうものなのかも理解することができました。
    ありがとうございました!

  2. 池上和夫 より:

    一見正しい報道内容かな?と思いましたが、下記の文の
    「安全か安全じゃないか科学的にキチンと証明もされてませんよ」ということなので「危ない」と思う人は使うのをやめればいいと思います。
    というのは無責任で、安全が科学的に証明されて無いものを、製造販売する企業倫理はアメリカらしい論理だと思います。
    購入者は安全だと思って使用しているのに、止めれば良いとは?
    安全が証明されて無い化学物質だったら、販売すべきで無いし、規制するべき商品です。
    消費者は危険か安全か調べようが無いのだから、販売する企業が立証するべきと考えます。

    • 匿名 より:

      有害な摂取量とその影響は既に示されておりますので
      「これ以上の安全が保証できないのであれば規制せよ」「自己責任論は無責任」
      というのはあまりにも無茶で非現実的な論調ですね。

      炭水化物ですら健康への影響の評価はコロコロと変わるのですし
      余程影響の大きいものを除けばある成分の長期的な影響なぞ企業どころか国にもわからないのです
      嫌なら使わない以上の自分の身を守る術はありませんよ

  3. 匿名 より:

    安全性の検討って難しいですよね。
    毒素の中で育った赤ちゃんはアレルギー疾患に『なりにくい』って言われてますからね。
    危険物質だから使わなきゃ良いというものでもない。

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